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データ

意味

大海原に漕ぎ出してずっと遠くを見渡してみると、かなた向こうに雲と見わけがつかないような沖の白波が立っていたよ。

語句

|わたの原:広々とした大海原。「わた」は海を示す。 |漕ぎ出でて見れば:「船で漕ぎ出して、見渡してみれば」の意味。「見れば」は、マ行上一段動詞「見る」の已然形に、接続助詞「ば」がつき、順接の確定条件を表す。よって「すでに行っている」を意味する。 |久かたの:「天・日・月・空・雲・雨」など天空や気象に関するものに掛かる。ここでは「雲居」にかかる枕詞となっている。 |雲居:雲そのものを意味しているが、本来は雲のいるところ、つまり「空」を意味する。 |まがふ:「混じり合って見分けがつかなくなる」の意味。ここでは「白い波と白い雲の見分けがつかない」を意味する。 |沖つ白波:「沖の白波」の意味だが、「つ」は上代に使われた古い格助詞で、「の」に当たる。また、この歌は体言止めになっている。

作者

法性寺入道前関白太政大臣


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Last-modified: 2023-08-01 (火) 08:48:02