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「嘆け」と言って、月が私を物思いにふけらせようとするのだろうか?いや、そうではない。(恋の悩みだというのに)月のせいだとばかりに流れる私の涙なのだよ。
- 【嘆けとて】
- 「とて」は「~と言って」という意味の格助詞で、「月が私に嘆けと言って」という意味です。月を人のように表す擬人法が使われています。
- 【月やはものを】
- 「やは」は反語を表す複合の係助詞です。下の「する」が結びで、「~するのだろうか?いやそうではない」と訳します。
- 【思はする】
- 「する」は使役の助動詞「す」の連体形で「やは」の結びです。「月が物思いにふけらせるのだろうか?いやそうではない」という意味になります。
- 【かこち顔なる】
- 「かこち顔」は「かこつ」からきた言葉で「かこつける」、つまり他人(ここでは月)のせいにする、という意味です。
- 【わが涙かな】
- 「かな」は詠嘆の終助詞です。
西行法師