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吹くとすぐに草木がしおれるので、なるほど、(それで)山(から吹きおろす)風のことを「荒らし」(すなわち嵐)というのだろう。
- 【吹くからに】
- 「吹くとすぐに」という意味です。「からに」は複合の接続助詞で、「~するとすぐに」という意味を表します。
- 【しをるれば】
- 「しをる」は草木が色あせてしおれる意味の動詞で、その已然形に原因・理由を表す接続助詞「ば」が付いています。
- 【むべ】
- 「なるほど」と言う意味の副詞。上の句で示された根拠を踏まえ「なるほど、だから山風を嵐と言うのか」と理由を推理して納得しています。
- 【山風】
- 山から降りてくる強い風で、晩秋に吹き、冬を予感させます。
- 【嵐といふらむ】
- 「らむ」は推量の助動詞で、「嵐と言うのだろう」という意味に なります。「嵐」は「荒らし」との掛詞で、秋の草木を荒らして枯れさせるので「アラシ」と言うのだろうなあ、という意味があります。また「山」と「風」の漢字2文字を合わせれば「嵐」になるという遊びも盛り込まれています。
文屋康秀