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難波潟の芦の、節と節との短さのように、ほんの短い間も逢わずに、一生を過ごしてしまえと、あなたは言うのでしょうか。
- 【難波潟】
- 今の大阪湾の入り江の部分のこと。昔は干潟が広がり、芦がたくさん生えていて、名所のひとつになっていました。「潟」は潮が引いた時に干潟になる遠浅の海のことです。
- 【みじかき芦の】
- 「芦」は水辺に生えるイネ科の植物。高さ2~4mになります。「難波潟 みじかき芦の」までが、この歌の序詞。
- 【ふしの間も】
- 掛詞で、芦の「節(ふし)」の短さと、逢う時のほんのわずかな時間、という意味を掛けています。
- 【逢はでこの世を】
- 「世」は人生や男女の仲などさまざまな意味を持ちます。ここでは男女から人生の意味まで複数の意味をかけます。また「世」は「節(よ)」と音が重なり、「節(ふし)」とともに芦の縁語。
- 【過ぐしてよとや】
- 一生を過ごしてしまえと、あなたは言うのでしょうか、という意味。「てよ」は完了の助動詞「つ」の命令形です。
伊勢