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データ

意味

恋しい人に逢える「逢坂山」、一緒にひと夜を過ごせる「小寝葛(さねかずら)」その名前にそむかないならば、逢坂山のさねかずらをたぐり寄せるように、誰にも知られずあなたを連れ出す方法があればいいのに。

言葉

【名にし負(お)はば】
「名に負(お)ふ」は「~という名前をもつ」という意味です。 「し」は強意の副助詞で、動詞「負(お)ふ」の未然形に接続助詞「ば」がつき仮定を示します。「名に背かぬなら」という意味になります。  
【逢坂山(あふさかやま)】
山城国(現在の京都府)と近江国(現在の滋賀県)の国境にあった山で関所がありました。「逢ふ」との掛詞になっています。
【さねかずら】
つる性の植物で、「五味子(ごみし)」とも言います。「小寝(さね=一緒に寝ること)」との掛詞です。
【人に知られで】
「で」は打消の接続助詞で、「人」は「他の人」という意味です。「他人に知られないで」という意味になります。
【くるよしもがな】
「くる」は「来る」と「繰る」の掛詞です。「繰る」は「たぐり寄せる」という意味です。「よし」は「方法」などの意味で、「もがな」は願望の終助詞になります。「あなたを連れて来る手だてが欲しいよ」という意味になります。

作者

三条右大臣


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Last-modified: 2023-08-04 (金) 08:44:38