筑波山の頂から(流れ)落ちるみなの川(の水量が次第に増して深い淵になるように)、(初めは少し気になるぐらいだったあなたへの)恋心も積もり積もって(深い)淵となったことです。
「つくばね」が歌枕。歌に詠み込まれている名所のことを歌枕という。以下に例を記す。
: 恋ぞつもりて淵となりぬる : 「ぞ」(強意の係助詞)⇒「ぬる」(完了の助動詞「ぬ」の連体形)が係り結び。
「淵」が「川」の縁語。
※「縁語(えんご)」とは、和歌の修辞技法のひとつ。ひとつの和歌にある言葉と、意味や音声の上で関連のある言葉を用いて表現に幅をもたせる技法。