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意味

筑波山の頂から(流れ)落ちるみなの川(の水量が次第に増して深い淵になるように)、(初めは少し気になるぐらいだったあなたへの)恋心も積もり積もって(深い)淵となったことです。

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(※1)つくばね
歌枕。現在の茨城県西部にある筑波山。山頂は男体山と女体山の二峰に別れており、古くから、男女が集い歌舞する自由恋愛の行事の場所として知られた
(※2)みなの川
つくばねから流れ出る「みなの川」は「男女川」とも書き、男女の仲を連想させる

(※1)歌枕

「つくばね」が歌枕。歌に詠み込まれている名所のことを歌枕という。以下に例を記す。

【逢坂の関】
これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関
【生駒山】
君があたり見つつを居らむ生駒山雲な隠しそ雨は降るとも

(※3)係り結び

: 恋ぞつもりて淵となりぬる : 「ぞ」(強意の係助詞)⇒「ぬる」(完了の助動詞「ぬ」の連体形)が係り結び。

縁語

「淵」が「川」の縁語。

※「縁語(えんご)」とは、和歌の修辞技法のひとつ。ひとつの和歌にある言葉と、意味や音声の上で関連のある言葉を用いて表現に幅をもたせる技法。

作者

陽成院


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Last-modified: 2023-10-18 (水) 09:11:02