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これやこの 行くも帰るも 別れては知るも知らぬも 逢坂(あふさか)の関

データ

現代語訳

これがあの、京から出て行く人も帰る人も、知り合いも知らない他人も、皆ここで別れ、そしてここで出会うと言う有名な逢坂の関なのだなあ。

ことば

【これやこの】「これがあの噂に聞くあの」というほどの意味です。「や」は詠嘆の間投助詞です。この句は「逢坂の関」にかかります。
【行くも帰るも】「行く」「帰る」とも連体形なので、「行く人」「帰る人」の意味です。さらにこの場合は、京都から出て行く人と帰ってくる人を意味しています。
【別れては】「ては」は、動作などについての反復(繰り返し)を意味していますので、「別れてはまた逢うを繰り返す」という意味です。
【知るも知らぬも】これも連体形で、知人も見知らぬ人も、という意味になります。
【逢坂の関】逢坂の関は、現在の山城国(現在の京都府)と近江国(滋賀県)の境にあった関所で、この関の東側が東国だとされていました。実は関所は比較的昔になくなったのですが、歌枕としては有名でよく歌に詠まれています。「逢坂」は「逢ふ」の掛詞。

作者

蝉丸


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Last-modified: 2023-07-31 (月) 11:43:04