実は、ただのおぼえがきです。
空モモ、つまり80年代放送分の『魔法のプリンセス・ミンキーモモ』についての話。
ネタバレも含みますが、あまり重要なものはありません。それより、もし興味があったら、ぜひ該当作品をチェックしてみる事を強く、強くオススメします。
両者は全く異質の作品。共通点といえば「魔法で上の年代の女性に変身する」くらいしかない。
実際、モモは脚本家の自作ミュージカルが根っこにある作品。マミは現実の歌謡関係の人がたくさん関わっていて、主役の森沢優の声をやっているのも本物のアイドル歌手だった。
モモの第一話を見れば一目瞭然なのだけど、魔法の力で子供のいない夫婦の子供として住み着いている。つまり、悪く言えば 地球におけるモモの知人はこの時点では全て虚偽 であり、地球における「モモを知る友達」は基本的に人間側の存在ではない。
地上での彼女自体が虚偽であるため、さすがに恋人などは自動的に無理となる。また、いつぞやの外伝のアサナリナーフの王子、OVAの彼のように立場が違っても難しい。
お父上に似た楽天的でポジティブな性格のため、救われている部分はありますが。
この点は仕方ないんですけどね。
森沢優はリア充のイメージがあるが、実は恵まれた対人関係に支えられているだけで当人には大きな問題がいくつかある。
ひとつは、年代のわりに幼いこと。なんか小さな男の子みたいに。
そして、明るくて元気な子なのだけど……実は作中、同性の友達がほとんど出てこないんですよね。もしかしたらゼロなのかもしれません。
女の子でそれは致命的。
この子みたいなタイプって……本来はクラスでも孤立するんじゃないかなぁ。
この手のタイプはラノベヒロインにむしろ多いと思われます。
だから、彼女には最初から彼氏未満の幼馴染が用意されています。
ラノベ主人公には最初から異性の、やたらと物分りがよくて都合のよいお相手が用意されているケースが多々ありますが、まさにこれを地でいっています。
うん、本当にラノベ的だ。
でも、 こういう欠点だらけの主人公の方が視聴者が感情移入しやすい ってのもあるんですよね。
それはつまり、 ラノベを喜んで見ている層の多くはリア充じゃないから って見方がありますけど、まさにこの点であると考えます。
うん……。
ウルトラマンには二種類ある。
つまり異星人がなんらかの理由で地球にやってきて人類に化けて住んでいる「擬態」型と、人間の主人公がなんらかの理由でウルトラマンになれるようになる後天型タイプ。
つまりウルトラマンでいう擬態型。ウルトラセブンやレオ、80、メビウスなど
魔法の国から来た女の子が主人公という設定は魔女っ子ものでは古典に属するが、視聴者であるはずの女の子が共感しきれないという大きな問題点も持っている。
それでもあえて古いスタイルを採用したのは、彼女の帯びている使命のせい。魔法の国を地球に戻すという目的なので、ソレを人間にやらせるわけにはいかないもんねえ……。
ヒーローものにしてもヒロインものにしても、後天的に力を得るタイプの方が実は多い。
これは考えて見れば当たり前で、あまりに特殊だと視聴者が共感できないからだ。
もし「セーラームーン」の月野うさぎが弱虫脳天気のアホの子じゃなくて王女様然とした完璧な人物だったら、セラムンはヒットしなかったろう。欠点だらけだからこそ感情移入ができて、そしてあの人気になったのだ。(まぁ厳密にいうと……ではあるけど、作品表現としての彼女は間違いなくこちら側)
だから多くのウルトラマンもまた、こちら側である。
第 1話で明言している。
作中でシンドブックが説明している。(たぶん45話)