日本の猫は、その昔貿易船で大事な書物をネズミなどから守るために中国から輸入したのが始まりといわれていましたが、2016年に弥生時代のカラカミ遺跡から猫の遺骨が発見されたこともあり、古くから日本にいたことが分かっています。
動物行動学的にいえば、猫ってやつは生涯の三分の一くらいは寝ている寝坊助だ。
しかしこれは肉食獣の多くがそうだからむしろ正しい。なぜなら、おなかいっぱいの肉食獣は、まるで昼寝の猫みたいに無問題(もうまんたい)な生き物だからだ。怠惰で愚鈍ではなく怠惰で残酷、これこそ猫科の動物だからだ。
ただし勘違いしないでほしいのだけど、これは猫がかわいくないと言っているではなくむしろ逆だ。
すべての哺乳類は幼体、つまり赤子と認識できる個体が可愛く感じるようにできている。つまり、異生物の子供でもかまわず助けるのだけど、これは「他人の子だろうが子は子だろう」と理性でなく本能で知っているからだ。
ただし、知ってる事と守る事は違う事も忘れちゃいけない。戦いに勝って群れを乗っ取ったオスライオンは、前のボスの子供を食い殺す。メスたちを「母」でなくして「女」に戻すためだが、子供にしてみればたまったものじゃないだろう。
猫は目線でケンカする生き物で、そして孤独性で家族主義。
面白いのは血縁で決まらない事。だからあなたが人間で飼い主なら、ケンカしたくないんだよと意思表示している事になる。目をそらすのは本来負けで、自分から目をそらすとはそういう事だ。
ただしそれが、あなたに負けた、つまり利害の相手と思っているか、でっかい子供と思っているか、弟妹だと思っているかは別の話だ。
え、親と見ていないのかって?
微妙な場合、狩りが得意かどうかが序列なんですよね……。
だけど、たいがいの超猫好きは猫様状態なのでこれを問題にしないし、猫の側も家族(ただし自分が年長者)と思っているのです。
飼い主が声をかけてもツーンと横を向くのは嫌いだからじゃなく、ケンカしたくないから。ただしビビっているのか、守るべき家族を守ろうとしているのかは飼い主のあなた次第だ。
特にあなたが風邪をひいて差し入れもらった事があるなら、「○子、はやく元気になって狩りしよう」と、家長として励ましてくれていると思ってだいたい間違いない。
近年、ダイバーにペンギン食べさせようとするヒョウアザラシのニュースで同じ話きいて爆笑した。
そして同時に「わかるとこで捨てるなよ、傷つくからよせよ」と心配した。
いや、最終的には怒った彼にダイバーが傷つけられるせいでもあるけども。
心配してくれるって事は「いいかげんにしろ」って怒る事もある。 現場のダイバーはわかってるんだろうけど……。
そして当然、じっと見られるとケンカ売られてるのと思ってフリーズするか逃げる。 知識は得ても観察眼のない僕は猫だけ直接みてもわかりにくいけど。飼い主と見比べると「ああなるほど」と。