HONDAのミドルクラスのいわゆるクルーザータイプのバイクの系列。
これだけだとわかりにくいと思うので、少し歴史に触れてみます。
初代レブルの登場は1985年。レーサーレプリカ時代のど真ん中にポン、とエアポケットのように発売された。当時のハーレーFX系バイクのチョロQみたいな変なデザインのアメリカンバイクでした。
当時の開発コンセプトも今のレブル同様、アメリカの若者むけゲタバイク。
若者に気に入られるためには能書きは不要で、とにかく気に入られなくちゃならない。
最も苦手なこの分野をクリアするために、当時のホンダ・アメリカはおもしろい戦略をとったのです。つまり、 「適度にかっこよく、またがって走って気持ちよければ、性能とか実際の走りは二の次でよい」
というコンセプトでした。
(走りは二の次というのは、当時のレブル本にもはっきり明記されていたので間違いないです。75点とか点数で表現してましたけども)
今の観点、またホンダ以外のメーカーなら「それがどうした?」でしょう。
でも、自メーカーの最高級バイクにすら原付と同じウインカーをつけるのが当時の『本田技研工業』というメーカーで、こういう「演出」は実は大の苦手だったんです。
そんなわけでホンダ・アメリカが作り上げたのはというと。米国のバイク好きなら誰もが微笑む見た目と、そして走らず曲がらず止まらないというホンダにあるまじき、とんでもないヘンテコ異端児バイクになったのでした。
だけど、スクーターより低いシートにどっかと座り、のんびりと走るスタイルが、つんのめって目を釣り上げて走るレプリカばかりの当時の世情の中で妙に受けた。
おもしろがられ、売れ続け、とうとうロングセラーモデルになってしまった。
海外ではもう30年も売れ続けています。日本は250だけが売られていたけど、海外では 250と450でした。欧州では125ccもあったようです。
積載されていたのは当時、実用車や古いロード車に使われ枯れていたホーク系のパラレルツイン。
今回は、そのフルモデルチェンジというわけ。
その正体は「 ホンダ・アメリカがアメリカの若者に売るために作った、お安いゲタバイク 」。
え、そんな言葉発表にはない?ありますよ。ジェネレーションYって今のアメリカの若者のことじゃないですか。
実に、実にあいかわらずですね、 思わず笑っちゃうくらいに初代レブルのコンセプトのまんま です。もちろんベースとなる流行が今のものだから、ローライドからボバーに変わっちゃってるけども骨子は全く歪んでいない。
このバイクは、いわゆる日本式アメリカンモデルじゃないのです。そこんとこを勘違いしてアメリカンバイクとして買っちゃうと、きっと失望する。むしろ「細けえことはイイんだよ」と笑って走り回るのがいい。
いい例がエンジン。
開発陣じゃないから断言しないけど、レブルはその性格上、その時点で売れ筋の、保守的にも製造的にも手間のかからなさそうなエンジンが選ばれてきたし、おそらくこれからもそうなると思う。レブルの基本コンセプトが変わらない限り。
昔のレブルはホーク系っていって当時の枯れた定番エンジンを載せてたし、今回はCBRかCRFのエンジンを乗せるんでしょうね。
そんなレブルが今回モデルチェンジになった理由はたぶん、ふたつじゃないかな。
意外と2つめかも。
だって85年の時だって、レプリカブームのど真ん中に、 「てやんでぇ」 って売り出したんだもの。