松姫峠

千葉の方を記事に起こしたので、ストックしていたこちらも出しておく。

松姫峠とは

 東京都西部をテリトリーとするライダー・ドライバーの方ならきっと漏れなくご存知だろう。奥多摩から大月に抜ける途中にある峠道で標高1200mを越える。武田信玄の娘・松姫が逃げ延びるのに通ったという伝説からこの名がついているという。
 この道を地図で見て興味を持ったのは1988年の事になる。今回はじめて走ったので、実に21年ごしという事になる。
 林道を舗装しただけのような区画もあり、奥多摩のR411よりも、さらにさらに田舎の道だ。
 しかし標高がすこぶる高くなるので、小回りのきく小型のロードがおすすめ。50ccもいいが峠付近で小排気量は不利だと思う。

アプローチ

 奥多摩からの分岐がわかりやすいのでお勧めである。大月からだと旧道20号から入る事になるし、超田舎道を進むのでアプローチがちょっとわかりづらいかもしれない。
 しかし交通量が少ない。いくら片側が大月といっても片側が奥多摩である。行楽シーズンでもないと車が増える事はないんだと思う。
 実際、途中の集落の中では、集落の中の生活道の方が広くて笑ってしまうような状況である。間違える人が多いのか、この連休中はお巡りさんや役場の人らしい人たちも交通整理をしていた。
 ……数分に一台くればいい方、という交通量なのに。のどかだ。

風景

 残念ながら当日、雲があって見晴らしはいいとは言えなかった。
 だが、雲海の低さに高度を感じて欲しい。道路自体もこの前後では、林道をちょっと広げたくらいでしかなく、道路の規格自体も今日ならおそらく国道として認められまい。
 しかし、特に大月側の険しさは特筆ものである。で、という事は景色も美しい。よく晴れた日に登ってみてほしい。

 自動車の走る国道にも関わらず、まるで登山道のような世俗からの隔絶感がある。
 実際、下界では西向きの道路は既に大渋滞が始まっていたわけなんだが、ここは風と葉擦れの音しかしない。
 静かだ。

 しばらく大月側にくだると、こんな地図のある休憩所がある。
 途中にある小菅村や路上での食料調達は困難である。缶コーヒーのひとつも入手不可能なので、何か持っていったほうがいい。一応だが峠の上とここには、それぞれ簡易水洗とちゃんとした水洗のトイレがある。どちらも綺麗に使おう。

 地図には林道があるが、実際にはゲートが閉じられていた。いきなり目の前に隧道があり、ものすごく覗いて見たかったんだが。