秩父往還

前書き

 前回、日本一の道路トンネルと古い隧道たちツアーで国道140号と雁坂トンネルを使用した。それはそれで素晴らしい体験だったのだが、新道しか走っていないうえにループ橋を渡ってから完全に夜が開けたため、それ以前の国道の姿なんて全然見えてなかった。

 そもそも国道140号は、秩父往還(ちちぶおうかん)という江戸時代の古道をなぞっている。国道246号(鎌倉往還(かまくらおうかん))、国道20号(甲州街道(こうしゅうかいどう))と並ぶ重要な街道のひとつであったようだ。また一部の登山家にとって国道140号雁坂峠は、登山道なのに国道であるばかりか、その国道ラインが公衆便所の通路になっている『便所国道』としても知られていたり、なかなかにユニークでマニアックな歴史を持っていた。

地図


より大きな地図で 秩父往還ツアー を表示

 まぁこの地図を見てほしい。なんか三本ほど国道が分岐して収束しているのがわかると思う。

 一番上を少し離れて走っている国道140号が新道である。先週の土曜日(2009/11/07)朝五時半すぎに通過している。

 分岐の起点となっているところは秩父側からくると90度右カーブになっていて、左は国道表記がなく『栃本』と『三峰神社』いきとなっている。右に国道140号表記があるので、紅葉シーズンでもなきゃ地元の車しか入っていかないかも。

 だが、山行がなど多くのサイトでも言及しているが、 左も国道140号線 である。しかも旧道ではなく現道である。みんなの通る新道はバイパスの位置づけになっているようだ。

 しかもである。その 現140号もさらに上下二本に分かれている のが地図でもわかるだろう。上の道は走ればわかるが非常に古い古道であり、いにしえの秩父往還をなぞる道のようだ。走った感じも国道439号は京柱峠の高知県側など、非常に古い集落道を思わせる。古道が好きで行った事がないなら、ぜひお勧め。しかし自動車では狭くて狭くてやってられまい。一車線確保されている部分すら少ないのだ。

移動

 とにかく行ってみる。今回は時間がなかったのと例の神経通しのため、一部関越も併用した。

 関越・花園IC。ここに出ると国道140号に直結

 無事分岐を通過してしばらくすると……

 無事に分岐を通過してしばらく走ると、こんな謎の看板のある広場に到着する。これはトンネル内分岐の表示である。トンネルの中で道が分かれているのだ。これぞ有名な 駒ヶ滝隧道 のある二瀬という土地である。

出たっ!小さっ!!!!!

 この隧道、元々ダム管理作業トンネルだったのが無理やり国道に昇格したという超ウルトラCの変態トンネルである。なんでも 「一刻もはやく雁坂峠に車を通すべ。ひいてはこのトンネルも国道って事にすれば、ここまで道が通った事になるべや」「んだんだ」 という事だそうで……なんとも素敵な豪快っぷり。

 さて、本来なら坑内分岐とかを詳細にレポートしたいところだが、カメラ類を未だちゃんと持っていないので走行中に撮影等できかねる。徒歩で撮る事ができないのも難点だ。

 よって、これらは山行が様などの有名レポートで楽しんで欲しい。今は私と一緒に 五分待ちの信号に並びましょう XD

五分くらいでめげるな!一時間とか言われなくてよかったじゃん

 トンネルで左に曲がると県道に向かう。私はトンネルこそ両方味わったけど県道には行ってない。どちらを選ぶかはその人次第ってことで XD

まずは下の道から行く。

 下の道の方が新しいらしい。この道は 上の道がダンプとか走れないので作った工事用道路を国道化 したくさい。もうなんでもありだなぁ ^^;

 なお新しい道なんだけど1.0~1.5車線くらいかな。これでも上の道よりは広い。近くに家があまりなく、先日(2009/11/14)の集中豪雨の後片付けがすんでなくて道路は荒れ放題だった。おそらく今日(2009/11/15)の午後のうちには綺麗に片付けられたろうが、葉っぱや小枝、小さな落石などが散乱したひどい姿だった。

微妙な掘割。ここは広いが狭いところは1.0車線ギリギリ

なんだこれ?

 道の南側を覗き込むと、下にも石垣があって林鉄の軌道くらいかな?細い軌道跡みたいなのが伸びている。この道路の所有者は色々と二転三転しているというし、面白い歴史が何かあるのかもしれない。

新道に合流する。

 上の古い道に向かうには、元きた道を戻ってもいいが面倒だ。

 そういう時にはそのまま進み、写真のポイントで新道に合流してしまう。

この風景が見えたら、右後ろに続く道に上がり込もう。

こっちも140号さ!証拠のおにぎりマーク

これでも広い方です。

 どんどん狭くなりアップダウンも激しくなる。おまけに集落の中をぐねぐねと抜ける時は完全に1.0車線すら切っている。

 こういうのは 無理やり車道にした古道だからこうなる わけで、この上道が一番古いのがわかる。家も古くて多く、生活と道路が不可分になっているところからもよくわかる。下の道や新道は所詮、生活道ではないのだ。

しばらく走ると駐車場がありそこに観光地図も。少しボロだが汚れているだけでちゃんと読めます ^^

振り返ると今来た狭い道。

ただの山道ですな。国道とは思えん

正面は美しい風景。

少し走ると山中迂回路の看板が。次の機会に試したい

隧道の信号所に戻ってきた。

この後

 新道に少し戻り、前回気になっていた道のひとつ、県道210号から有名なニッチツの鉱山跡(現在も操業中だが、団地や市街・小学校などが廃墟になっている)に回りました。犬を散歩している唯一人の住人らしいおじいさんも見かけました。

古い隧道は腐るほどあったが、隧道めあてではないので略。

 ちょうど紅葉ががんがん落ち始ちて道路もどこも葉っぱまみれ。音もなく降りしきる落葉に思わず 「ムシゴヤシが午後の胞子を飛ばしている……」 とか意味不明なことを言ってしまいました。

残念、郵便局は月~金の営業でした(現用です)

 んで、そのまま林道抜けて国道299から秩父に回って帰りましたとさ XD

余談

 帰り道の途中でエンジン不調になった。スローが安定せず唐突に止まる事がある。爆発が不安定のようだ。少しスローをあげて帰ってきた。

 とりあえずエアクリーナボックス開けたが問題なし。ビスカスタイプなので簡単に洗えないのよねエレメント。その他問題なさげ。

 プラグを引っこ抜いてみると、えらい代用品(確かにネジあうし火も出るけど…)が刺さってる。とりあえず DPR8Z を二本ほど注文しておいた(amazonでプラグまで頼めるとは… orz)これでダメならバイク屋に相談してみるか。そろそろオイルも汚れてきたし。

(おわり)