#author("2023-07-28T08:41:58+09:00","default:yakumo_murakami","yakumo_murakami") #author("2023-07-28T08:43:29+09:00","default:yakumo_murakami","yakumo_murakami") [[FrontPage]] * data [#mb015421] - https://evrica.me/liberal-arts/1126 * 意味 [#o243b5c4] 奈良の吉野の山の秋風にしだいに夜もふけてきて、かつて都があった吉野の里は寒々しく、衣を砧(きぬた)で打つ音が身にしみてくることだ。 * 作者 [#m8cacbb6] :み吉野の | 吉野は、桜の名所として名高い今の奈良県吉野郡吉野町を指す。「み」は、美称の接頭語。 :さ夜更けて | 「さ」は、語感をととのえる接頭語。「夜がふけて」の意味。 :ふるさと寒く | 「古里(ふるさと)」は古都の意味。「寒く」は、ク活用の形容詞「寒し」の連用形で、「ふるさと」の述語であり、「衣うつなり」にかかる修飾語でもある。よって、かつて離宮があった吉野がさびれていることを示す。 :衣打つなり | 「うつ」が、タ行四段活用の終止形であることから、「なり」は、伝聞推定の助動詞「なり」の終止形。女性が夜にした仕事で、砧(きぬた)という柄のついた太い棒で衣を叩き、柔らかくして光沢を出した。よって「衣を打つ音が聞こえてくる」を意味する。 * 作者 [#m8cacbb6] [[参議雅経]]