日本有数の酷道のひとつ、R352。ただ細い長く
そんなR352に行ってきた。茶番の高速無料実験も終わり、そろそろ交通も落ち着いただろうという考えの元に。
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那須方面からの侵入は当初からの計画だった。当時は高速千円(つまりETC搭載)を目安にしていたわけなのだけど、はっきりいえば高速千円がもう終わるのは時間の問題である事は2009年の時点わかっていた。だってそうだろ?民主党は確かに高速無料化を掲げてはいたが、 この国にそんなお金があるわけないから だ。震災は後付けの理由で、彼らは麻生太郎氏の仕事を無用に引き伸ばす事で格好をつけようとしたものの、実は大風呂敷を畳むタイミングを決めかねてていたにすぎない。
いやまぁ、ここで政治の話もなんだ。先にいこう。
さて、ではどうして今までそれを理由に行かなかったかというと理由は簡単だ。つまるところ、車で走ってる連中が千円なのにバイクで数千円払うというのが理不尽に感じたからだ。だからといって年間に何度も使わない高速のためにETCつける気にはならない。元をとるほど高速乗らないのに何万もかけてETC買えなんてバカにしてるじゃないか。
いやいや。さて話を戻そう。
朝二時過ぎほどに東京発。夜明けまでまったりと走り続け、たぶん羽生あたりで夜明けと共に東北道に乗る。まだ暑さが残っていたがさすがに都内よりはダントツに涼しい。被災地に向けたトラックがたくさん走っており、中には仮設住宅を積載した大型も見られた。トイレに入ると「被災地割引を使う方はETCを使わないで」と書いてあった。ふむ。被災地むけは一般出口につく必要があるらしい。
朝六時、東北道西那須野塩原IC出口。
栃木といってもここまでくれば地形も道路の走りもまるっきり東北になる。しかも霧が出ていて涼しいというよりむしろ寒いくらい。確実に20度は割っているだろう。あの東京の猛暑が嘘みたいだ。もっとも山中に入る頃には日が出て暑くなるのだけど、この時は本当に快適だった。もってきた薄手の上衣を取り出して着たほどだ。
R400を山に入り、途中でR121と合流、北へ。やたらな酷道っぷりにちょっとビビるがこのあたりはまだ前菜にもなっていない。楽しいのはR352に入ってからだ。とりあえず合流前に福島県に入るので、おそるべき原発の件に思いを馳せよう。え?心配ないのかって?こんな山奥で問題になるくらいなら東京だって危ないでしょう。気にすんな XD
やがて念願のR352に出る。
奥只見方面、つまり南方向に舵をとった。少し走ると自宅でやってるような田舎の小さなコンビニもどき店がある。ここで大きなパンを一個買い、ついでにGSは近くにないかと聞く。奥只見方面に進むなら、峠をひとつ超えればあるが、開店がたぶん八時か八時半過ぎだと言われる。まぁ今七時だし。でも燃料このままでは山越えできないのでダメなら待つしかない。お礼を言って進む。
店員さんの言った通り、山ひとつ越えたところの集落にGSがあった。無愛想なおっちゃんがやってる。給油。空は一点の曇りなき快晴。はるか遠くで鳥の声がするだけ。本当にここ町なのか?数時間前までの東京の喧騒が信じられない。
だけど本当にすごくなるのは北に向かうR401との分岐を越え左折、尾瀬沼の方向に向かい始めてからだった。
本格的にR352に入って、いよいよ道が狭くなっても車は結構いる。それに道自体もちゃんと二車線ある。なんだ、大したことないじゃんと思っているあなたは甘い。これらの車は間違いなく、99.99%までは尾瀬方面に北から入る景勝地の駐車場に行ってしまうのだ。
で、駐車場からいきなり車が消え、ひとりぼっちになったあなたはいきなり幅員が狭くなるのにも驚くだろう。1.1~1.2車線くらい。しかも場所によっては土の壁から吹き出した泥が道路を埋め尽くして居たりもする。本格的な酷道のはじまりだ。ミラーもガードレールもほとんどないので気をつけて。
新潟県に入るまでは、このひたすら細い山道が続く。このエリアだけで言うと昭和30年頃の国道規格に適合するかどうかも微妙だと思う。道幅だけなら、今は国道でなくなった旧R20笹子隧道の前後の道のほうがずっとマシだし、四国のR439だってこんなアップダウンはしていない。そう、しいて言えば、四国ならR194の旧道だろうか。今はほとんど走れるところがなくなってしまっているが、新道からたどってみた事はある。あの細さのイメージに実に合う。これで現役国道、しかも二県にまたがっているのだから恐れ入る。
さて、折角だから県境の写真を……と思ったが、登山家というには異質な連中(たぶんTV局か?)が県境付近を占拠して何かやってたのでパス。カメラ取り出して因縁つけられたりしたら鬱陶しいし。いや笑えない。かつて山梨で密猟の下見と間違われた事があるんで。一般市民の私としては、怪しげな団体には関わりません。
新潟側になると道はがらっと変わる。道路自体の整備は比較的よくなり車線もあらかた確保されるのだけど、山間部に入ると凄まじいまでの九十九折り、そしてコーナーごとに道自体が川底のようになっている。この日はずっと晴れが続いていたので水なんかないと思っていたけど、それでも何割かは川渡りよろしく水がジャブジャブ流れていて驚く。
がんばって奥只見湖まで出てきた頃には凄まじく暑くなってました。
魚沼に出た後は、R291をしばらく走った後、県道をつないでR17へ。三国峠を越えて群馬に入りました。
この後は猛暑である事が予測されたので一般道を避け、月夜野から関越に乗り帰りました。R17で休めるところがなかったので赤城高原SAで長い休憩をいれ、PCでメール読み書きしたりして酷道山越えの疲労を和らげてから、ゆっくりと走って帰りました。