県道・市町村道の旅はお勧めである。
国道と違いローカルな道である。
だがしかし、それがゆえに「旅している」と強く実感させるのが地方道の旅の楽しみである。
手前味噌で恐縮であるが『
1芝巻方面などに入らないようにしつつ、細い県道をずるずると登っていくと、やがて小奇麗なトンネルが現れる。網川トンネルだ。
新しいトンネルなのだが交通量があまり多くないので、少なくとも十年は逆鯖を読んだ歳のとりかたをしている。この地域は高知市とはいえ高度成長期に併合されたというだけで文化圏が違い、また旧初月村地域のようにベッドタウン化もしていないので、この先もこんな感じのまま年輪を重ねるのかもしれない。
トンネルを越えても道は続く。県道33号と途中で合流するので16号を経由して赤良木隧道を通り本山村に抜ける事にするが……。
実はこのエリアは高知市でも古道群に属する。険道やそれ以下の細道がたくさんあり、それらは小さなカブなどでもないと自由に探訪するなどおぼつかない。もちろん利便性を追いかける地元高知市の年寄りなんざまず寄り付かない。
実際、ここを走るのは住民と釣り好き、そして物好きな我々旅行者くらいだろう。
去年撮影してなかったので撮ってみた。
うちの母曰く 「こんな時代になっても残っている一桁県道なんてのは、自分から訳ありですと言っているようなものだ」 そうである。言い得て妙というか、わが母ながら鋭いというか、なんとも見事な格言だと本当に思う。そんな古い道の多くは国道に昇格しているはずで、未だに県道のままというのは確かに「訳あり」が多いという母の経験則は確かに正しい。私の経験則ともかなりの部分で一致する。
大豊に近いR439から高知県道五号線に入る。本当は少し西にある白髪隧道も行きたかったのだけど、今回は落合峠というメインディッシュが待っているわけなので両方はとても無理だ。そんなわけで突入。
高知自動車道と併走している区間は結構道がいい。ややこしくなるのは併走をやめ、最後の集落も越えてからである。
道はその……あまりに細すぎてコメントしかねる。舗装林道の方がまだマシですな XD
高知自動車道の県境のトンネルで、笹ケ峰トンネルというのがあるのをご存知だと思う。あれの元ネタはこの県道五号線・笹ケ峰隧道である。愛媛県との県境になっている事も高速と同じ。
真っ暗な隧道なんでイマイチですが。
放置年数の長かったCLですが、ようやく大人の仲間入りです……ごめんな外装既にボロボロで orz
R192の某所から山に入る。
落合峠は山深い峠だが、R192沿いの賑やかな世界とは完全に一線を引いている。実際、今年の超くそ暑い下界にも関わらず肌寒いほどで、れっきとした県道ぞいだというのにニホンカモシカまでもが出没していた。まぁ祖谷側の路面はメチャ荒れてて砂利・簡易舗装・コンクリその他なんでもありである。平らな道が恋しくなるほどには荒れているので注意してほしい。つんのめったロードスポーツなんかでは間違ってもいかないほうがいい。
京柱峠と違った感じに開けた静かな峠。
ふと思ったのだが、徳島の人はあまり山にはいかないのだろうか?あるいは祖谷方面の方に集中しすぎてこちらは目立たないためなのかもしれないが、京柱峠の徳島側もそうだが飾りなどは全くない。峠を示す柱も色あせてちょっと寂しいものがある。素晴らしい絶景なのだが。
R439に出て、見ノ越経由で東に向かいました。
(おわり)
1.:高知県のこうした細道では 「こっちの道が太いから主要道だろう」という常識が一切通用しない ので気をつけてください。地方道の得意な方ならヤマ勘でだいたい行けると思いますが、余裕のない時や不安な時は少なくとも複数の方法で地図をチェックできる体制を整えておく事をおすすめします。 「気をつけろ、使えると思うなGPS」