南無谷周辺を尋ねて

 千葉県南房総市、富浦町南無谷地区。

 木更津より南に向かうこのあたりは本当に面白い。先日の竹岡近くの巨大隧道といい、 誰でも簡単にいけるような場所にホイホイと「なんじゃこりゃ!?」と言いたくなるような隧道がゴロゴロしている のだ。

 この「誰でもいける」ところがいいのだ。こういうツーリングというと深山幽谷に行かないとダメだと思ってる人には特におすすめである。

地図

 あとでアップします。

まず失敗w

 南無谷に向かって国道127号を移動中、ふと進行方向右手に旧道と隧道を見つけたのでストップ。

右奥のやつが、それ。国道からもよく見える

 これは目指すものではない。でも新トンネルの真横にあるので見学にはいいぞ XD

 よそのサイトで見たことがある。これも確かに戦中か直後のものだが、大物というほどのものではない。

 これは地元道として残されているいい例だ。山行がなどでもこの周辺の隧道がたくさんとりあげられているが、どれもこれも国道からすぐ側というのが恐ろしいところでもあり、また面白い。

 こんな楽しい土地をチバラギなどとひとっからげにバカにするどころか、私は興味を持った事すらなかったのである。もったいない話だ。

南無谷に到着

路地の奥でトイレ休憩していたら妙なものを発見。

おお。小型モノレール

 これ実に関東一円のあちこちで見かける。手製かと思っていたがどうやら業者がいるみたいですな。

(2010/1/1: ANAの冊子によると、このモノレールはみかん農家などでも使うらしい)

 さて、目指す隧道だ。一本目

一本目

 木更津側から南無谷集落に降りてすぐの隧道。新トンネルの旧道を探すつもりで回り込むと簡単に見つかるはずだ。

うむ、いい面構えだ。

 このレベルの隧道は千葉県には大変多いんだが、それでも見応えがある。なぜかというと 「民家の横に、まるで隣家のように普通にこれがドーンと開いてたりする」 からだ。この強烈なインパクトは実際に訪れてみないとわからないかもしれないが、とにかく「たかが穴」の分際でもの凄くエキサイティングなのだ。専門のマニアがいるというのも頷ける話ではある。

もはや定番中の定番。素彫りにコンクリ吹き付けだ。

南房総側の坑口。

TEPCOの設備かな?こういう古い隧道にあると新鮮です

 まだ新道に戻っちゃいけねえだ。さらに集落をまわりこむともう一本あるでな。

二本目

右に見える屋根に注目! ただの民家の隣 ですこれ。

 細い路地裏が、いかにも「ここから隧道だよ~」と言わんばかりに左カーブしてその先に隧道がある。

 それ自体は定番中の定番なんだけど、思いっきり集落のど真ん中なので、 坑口すぐ横まで民家が普通にある のが強烈なインパクトです。

ここも吹き付け。

南側坑口。すぐ横に民家があるので静かに撮影。

振り返る。向こうの道路は国道127号

 左にあるのはロックシェードで、その奥には新トンネルがある。

 こちら側は冗談でなく旧国道だったんだろう。国道127号には各所に旧道っぽいのがそのままの姿で残されている。国道439号の狭路区間と似たような規格道路なので、ははぁなるほどとわかる程度だが。

謎の穴

 もうしばらく進んでいると、国道脇に謎の穴が出現した。

ほほう。

穴ですな。いくつもあいてる

 房総には、 かつて大本営が引越先として掘っていた穴がある そうで、これは今も存在する事が確認されています。この強固な地盤に着目しての事なんだろうけど、これらの穴も今日に奥が深い。おそらく防空壕か何かの跡じゃないかなと思っています。

深いなぁ。

別の穴。やはり深い

 これは人道サイズにしても小さい。納屋か防空壕だったのでしょう。

帰りに偶然発見した名無しトンネル

 館山の南まで行っていたのですが、みぞれに遭遇したので帰る事に。

 その途中、国道127号を走っていたら右に見える脇道の奥に素堀り隧道がぽっかり口をあけているのを発見。

左の壁は民家です……もう何も言えないっす。

出口も立派。……でも変な穴ありますね?

ここは埋められてる。

 防空壕っぽいなやはり。明らかに同じ時代っぽい形と古さのがたくさんありますし。

帰り

 上総方面に近いこの公園で急速。ここ砂浜いいですな。

さて、帰りましょう。

(おわり)