三島湖畔~隧道辻

 無理せずのんびりいきましょう……猿と戦うの嫌だしw

地図


より大きな地図で 香木原林道 を表示

行程

 少し遅く目覚めたので出発は六時前になってしまった。昨夜までの雨はすっかり止んでいるが地表付近の熱気が逃げ切っておらず、理想的なまでに温暖であった。ただし湿度があまりにも濃厚で、霧が発生しているおそれがあった。

 東京湾岸道路(国道357号線)で東へ。

 千葉県に入ってしばらくすると霧が出た。それは国道16号では道路標識も曇るほどの濃度となり、走行が困難になってきた。まだ少し寒く指の感触も鈍かったが、それよりも霧による視界悪化の方がはるかに問題であった。何より景色どころか標識も見えないのだ。

 時折スクリーンと眼鏡を掃除しつつ前進する。当初の県道利用の予定はとりあえず破棄、国道410号に乗っかってまず久留里(くるり)を目指した。

 久留里を抜けてさらに進み、うまく三島湖方面に曲がるつもりが行きすぎて465号に入ってしまう。即座に、いつぞやの松岡迷走ルートに入り、例の素彫り国道トンネル、四町作第一隧道を通り集落経由で三島湖に向かう。

 なお、集落内では道なりにまっすぐ進む。左折→トンネル通過をしてはならない。これは県道24号へのショートカットであるが三島湖に向かうには使えない。

 あくまで410号をなぞり続けるうちに霧が晴れた。午前九時近くまで霧は続いていた。やれやれだ。

 だが、房総の強い太陽に照らされた全世界がまるで芽吹くように湯気を一斉にあげる姿は、それはそれで幻想的とも言えた。

三島湖

 道路標識で『←三島湖』となっているところで左に入る。こちらも国道410号なのだが旧道らしい。

三島湖北入り口そばの休憩所

 近くに何本も素彫り隧道のある豪快なピストン路があるが、路面悪にして今朝は雨上がりなので次回に回した。

あの向こうには素彫りの隧道がたくさん……

 では行こう。

 三島湖を北から南に突っ切り林道に入り、やがて香木原林道を経由して香木原集落に出る。これが本日のメインディッシュである。これは千葉県にいくつかある 隧道辻 のひとつであり、youtube動画なども出ている有名な道でもある。

 全舗装ではあるが、本日のような雨上がりには落石などで路面は荒れ気味になる。典型的な林道規格道路であり、全線一車線。離合は困難である。

第一ポイント。湖を乗り越えて最初のトンネルを出たところ

最初の隧道を振り返る。

中は定番。素彫り+コンクリ巻立てだ。

一本目と二本目の間には駐車スペースがある。

次の隧道。一見地味だが……

中は激しい蛇行。路肩には水路がある。

 実際、中に水流のある隧道もあった。さすがは雨上がり。

 この先にもいくつも隧道があるが、同タイプばかりでそれほど古くないのでいちいち撮影していない。

 しかし、さすがは隧道天国千葉県!とんでもない数の隧道である。

……無念

 しばらく走ると下向きの交差などがあるが今日は無視して走る。

 いや、停車も脇道もしたいのだけど、実は さっきから猿の群れに見られてて落ち着かないのだ。 どうもこの山麓には1デカい猿の群れがいるようで、雨上がりとはいえ堂々と車道で食料を漁っている。 ひとを恐れていない。

 この時点で、私の中で 危険ゲージがピピンとはねあがる。

 え?たかが猿だろうって?

 冗談じゃない。地域にもよるが猿ってのは厄介なんだ。ひどいところでは、 わざとバイクの前に飛び出し急制動や転倒をさせ、集団で襲って食料や品物を奪う という恐ろしい猿だっているんだ。ちなみに日本の猿である。

 理由は知らないが「人間に手を出せば食べ物がゲットできる」と知っていて、しかもそれを実行に移しているわけだ。

 おそらく推測なのだけど……車などで来た観光客のエサやりと、彼らの目に触れるところでバイクでこけた奴がいたのが原因だろう。

 野生動物は人間の都合じゃ動かない。住み分けのみが我々の共存共栄の道だというのに、わざわざ野生動物にエサをやって「人間に近づけばエサが得られる」と学習させてどうするのかと、狐だのクマだのにエサをやって喜んでいる人に聞きたい。

 日本にはチンパンジー級の類人猿は住んでいないが、野性のチンパンジーは時として人間の村を襲い、人を喰う事がある。

 クマは人を喰わないと考えている人がいる(確かに平素は食べない)が、それは単に知らないだけ、得体がしれないから手を出してないだけだ。実際、いわゆる食害……時々出る人喰いのクマは、なんらかの理由で人間の味を知ってしまったクマだ。多くないとはいえ、実際「人間を喰うために」わざわざ村まできて、2火を使ってる家にも平気で押し入ってそこの家族を襲い、喰ったクマの記録は実際にある。

 確かに、いたずらに恐れる必要はないだろう。彼らは「平素は」確かにひとを主食にはしない。かつてのアイヌの人たちが言っていたように。

 だけど、 条件が揃えば人間も喰う生き物 だって事も理解してつきあうべきだろう。アイヌの人たちがクマを神様と見ていたように。

 この世は伝説の楽園ではない。どうぶつみんな仲良しこよしなんて事は幼児向けの童話の世界だけにしていただきたい。>スイーツ脳の人たち

香木原林道起点

 有名な隧道辻です。細かい説明はしません。

辻に立ち振り返る。後ろも隧道。

右にはこんなものが。支線は行き止ま林道。

前ももちろん隧道。その向こうにさらに隧道があります。

起点の看板と説明書き。

 さあ行こう。道は全舗装ですが、雨上がりで落ち葉・小枝・あと少ないですが落石もありました。まぁ子細。

 てか、猿の気配がまだ消えない。このへんにもいるのか……やれやれ。

終点

目の前の畑に注目。このへんにも猿が来るんだね

奥多摩の檜原村の奥にも確かある。ここも皆で水道引いたんだ。

終点付近。

終点の看板です。

帰宅

 この後は県道24号に出て、そこから国道410号に出て今朝のルートを一部逆走、久留里の市街から県道を通って木更津に抜けて、国道16号・14号などから湾岸道路経由で帰りました。

 帰宅は午後一時そこら、走行距離は約248kmでした。

 あ、そろそろオイル交換ですな。では次回は西に進路をとる予定にしましょう。

おまけ

 たぶん使う事はないが、復活CL400号によい名が浮かんだ。ブロントサウルス(Brontosaurus)号というのはどうだろう?ご存知のように、ある時代には草食恐竜の一例として世界中に流布されたにも関わらず、実はアパトサウルスの成体である事が判明。 学名は先に名づけたほうが克つ 方式に従ってアパトサウルスが名称となってブロントサウルスという恐竜は幻となったのである。

 うん、うちのCLにふさわしい名前じゃないだろうか?<ぉぃ


1. たぶんニホンザルだと思う。タイワンザルじゃないよなぁ……?@@;

2. Wikipedia情報『三毛別羆事件』など。わざわざ外国探さなくても、クマに襲われた村の記録くらい日本にもあります。