笹子隧道

位置

 特に甲府側からの入り口がわかりにくいので図示しておきます。難解と思えば大月側へ!
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 白虎(びゃっこ)の道たる甲州街道。由緒あるこの道を引き継いだのが国道20号なのであるが、戦前における国道八号線、および戦後の一級国道20号線最大の難所が笹子峠であった。これを何とかするために昭和33年に現在の新笹子トンネルが開通。ただし昭和46年に償還完了するまでは有料だったため、それまでの笹子峠も使われていた。現在はその役目を終えたが旧笹子峠と隧道が、ひっそりと佇んでいる。

 ……それはいいのだが、はっきりいって ここ、甲府側からの旧道入り口は非常に見つけづらい と思う。私はGPS首っ引きで行ったが、 地図と道路の線形が違う まで最後はヤマ勘で入り込んだ。だがそれでも「本当にここが旧甲州街道なのか?という疑問が、峠に上り詰めて隧道に遭遇するまで続いた。

 さすがの昭和33年、途中に国道表記などは残っていない。

 しかし酷道慣れした人なら、国道439号線の狭幅区間などで見慣れた古い規格の国道の姿に気づくだろう。逆に言うとこの旧道に「国道らしさ」が残っているのはその旧規格の整備跡だけなので、よくも悪くも見物してみて欲しい。あなたが他の酷道や旧道に行くなら、きっと役立つと思う。

甲府側坑口

 竣工は昭和13年。修理の仕方と予算、年代からして、元は煉瓦かコンクリ巻き立てではなかろうか。現在は前後のみ完全巻き立て、中央付近はスチールの支保工(しほこう)も入れているようだ。

坑口。文化財になっているので、きちんと手入れされている。

 土壌の事もあるので断言できないが、明治隧道である天城山隧道が今も当時のまんまで立っている事を思うと、本当は総石巻きが一番頑丈なのだろうなと思う。だが、天城山隧道は天然石から切り出した非常に固いブロックで巻き立て製作されているわけで、アレの真似して作っちゃったらたぶん、予算も天城山隧道のようにかかってしまったんだろうなぁ。

振り返ってみた。

あまりにも綺麗に補修されているのは残念。でも怖くないね

不明。水を外に流すためのものと推測。

大月側坑口

こっちもかっこいい。

振り返ってみた。

お、碑だ。チェックだチェック XD

 それにしても「本当のこの道が昭和33年まで……いや、昭和46年まで国道20号線だったの?」と思ってしまう。すごい道だよ。御坂の比じゃない orz

(おわり)