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 ネットで定期的に提示される質問のひとつに、荷電粒子砲(かでんりゅうしほう)がある。
 ご存じのように荷電粒子砲なる兵器は空想の中のものであるが、だからといって笑い飛ばしたりバカにするようなリアクションはどうかと思うのだ。もう少し話をきいてやれよと思うのは私だけではないはずだ。
 で、その荷電粒子砲である。
 荷電粒子ジェネレータ自体はたくさん使われている。そこら中で腐るほど普及しているのだけど、兵器になっていない理由は簡単である。ようするに「兵器として使えるだけの実用性が現状得られない」からにすぎない。
 動作原理を考えてみよう。
 荷電粒子というのは文字通り電荷をかけた微粒子である。ブラウン管を想像してほしい。あるいは電子レンジでもかまわない。より兵器っぽく見えるのは電子レンジであろうか。お弁当をアツアツにできるのなら、人間を攻撃もできるのではないか。うん、もちろん可能である。
 しかし当然であるが、現実に電子レンジを武器にしようとしたも大変困難であろう。消費電力がデカイのでコンセントがないと駄目だし、だいいちあの狭い箱の中に犠牲者を押し込んでしばらく動きを止めなくてはならないのだ。はっきりいって意味がない。完全に無意味とは言わないが、正直なところその電子レンジで殴りつけるほうがまだマシじゃないだろうか。そういう理由で、電子レンジを武器にする事はいまいち非現実的なのだ。
 では、荷電粒子砲は本当に非現実なのだろうか?答えはイエスであり、またノーでもある。
 現状として、確かに大量の問題点を荷電粒子砲は抱えている。だからこそ馬鹿にする人もいるわけだが、裏を返せば「持ち運び問題が解決して電力供給のカタがつけば、荷電粒子砲は非現実ではない」という事でもある。
 十年後に笑われるのは、あなたかもしれないのだ。



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