異世界メソッド
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[[いろいろ]]
#contents
* はじめに [#ucfe3e4e]
異世界メソッドとは、物語における古典的テンプレを意味する造語。一般的な用語が他にあったら誰が教えてほしい。
異世界メソッドは、広義には実に多くの作品に用いられている。つまりそれは「日常(ケ)から非日常(ハレ)への移動」すらも該当するもので、それを逆手にとったメタファーも含めると、あまりにも多様すぎて、それだけで一冊の本が必要になってしまうだろう。
そこで、ここでは以下に焦点を絞ったものについて解説をしたい。
- ''主人公がなんらかの形で現実とは異なる異世界に行くもの。''
これはファンタジーな異世界から小さな内的世界まで全てを含む。また、現実世界を含む多数の可能性世界が混雑しているような作品も含む。
* 異世界とのかかわりによる種別 [#a621e981]
** 異世界の分類 [#n654944b]
創作上、異世界に分類するものはたくさんある。
神話などでは神の世界、隠れ里、冥界(死者の向かう先)、妖精や精霊の居場所などが挙げられるだろう。
近世になるとさらに異星、異次元、時間旅行の彼方、20世紀終盤には電子世界と可能性世界が追加された。異星や異次元はSFと考える向きもいるだろうが、まだ情報の少ない現在において異星世界について考えるのは「科学的考察をある程度織り込んだファンタジックな妄想」にならざるを得ず、やはりこれはファンタジーな異世界分類でよいと考える。~
(もちろんこれは未来において変わる可能性があるが、それを論じるのはその時代の話だろう)
そして21世紀初頭の今、電子世界にはVRMMOの要素が加わり、さらにバリエーションが生まれている。
** 能動型か受動型か [#efa88cb2]
分類といっても、実は ''ほとんどの異世界作品は受動型'' である。理由も簡単で、 ''主人公が能動的に異世界に行く作品なんて、ゼロとはいわないがほとんど存在しない'' からである。オーラロードが開こうが謎の魔法陣が足元に展開されようが大きな違いはない。受動的という意味では。
理由は簡単で、少なくとも ''現在の現実社会の読者は異世界の存在なんて知らないし、行き方も当然わからない'' からだ。
現代の娯楽作品の基本として ''「主人公と読者に接点がなくてはならない」'' というものがある。たとえ実際には「こんなやついねーよ」的な頭のおかしいチート野郎だったとしても、それを読んでいる自宅警備員な青少年が、自分たちの延長として「こいつになれる可能性」を感じられなくてはならない。
実際、いわゆるクラス転移ものを読めばこれがよくわかる。カカシ役の「旧タイプのテンプレ主人公」が別にいて、そして真の主人公は元劣等生のヲタクないじめられっこという例の王道パターンだ。なぜか学園のヒロインみたいな女の子がそのヲタク主人公に前から夢中だったりするわけで。
おわかりと思うがコレ、彼らのいう古典的王道主人公のメソッドからも全く外れていない。単に、読者が感情移入しやすいように「恵まれていない立場で基礎能力も低い」スタート位置を与えているだけの話で、中身は古き良き王道主人公と何ひとつ変わっていないのである。~
(言っておくが悪いといっているのではない、むしろ広く愛されるがこその王道であろう。アンチテーゼのつもりで王道を描いてしまっているのならそれは滑稽な話かもしれないが、そもそも王道邪道を問うのは作者自身と論客のためのものであり、一般読者には面白ければそれが全てであろう)
話を戻そう。
つまり主人公はなんらかの事件なり事故などで、受動的に異世界に行かねばならない。これがトラックにはねられる事だったり、ひどい場合はベッドから落ちて後頭部の強打でお亡くなりになったりするわけだが。
もちろん、時間と空間に関する技術がもっと進んだ未来に異世界への道が開けば日常になるかもしれないが、それまではこの状況は変わらないと思われる。
なお、強制召喚などの途中で神様にチートをもらうというネット小説によくある展開は、行くか否かの選択の余地がないのでこれらも能動型ではない。
** 転移型か転生型か [#rd0bd426]
転移型とは文字通り、召喚なり事故なりで異世界に行ってしまうケース。古い物語なら、隠れ里や神域に迷いこむようなものもこれにあたる。
対して転生ものとは、こちらの世界で一度亡くなってしまうケースである。まれに死亡でなく人格だけが異世界に「複写」されている(つまり元の本人は現実にいる)ケースもあるが、これは主人公目線では異世界に行ってしまっているので、本人が元のままなのか別人として新たに生まれるかで、転移か転生かに分かれる事になる。
** よくある転移もの作品(古典) [#d277daa7]
異世界モノというのは古典や神話にもあまりにも多く、しかも異世界モノと認知されていないものも少なくない。~
たとえば、以下はその典型例だろう。
*** 浦島太郎 [#ke1e8350]
実は竜宮城というのは後年に作られたもので、元々は、乙姫様の招きで常世(神々の住むという異世界)に行くのである。~
(そもそも昔は「 ''浦島子(うらのしまこ)'' 」という名前だった。太郎さんじゃなかったのだ)~
つまり、子どもの頃から我々がよく知る浦島太郎の物語は、典型的な異世界作品そのものである。
** よくある転移もの作品(アニメやゲーム) [#rf993b28]
わかりやすい方がいいかと思ったので、メディアの観点からまとめてみた。
ただしVRMMO絡みのアバター転移ものについては転移か転生かの判断が難しいものがある。なので、そこは以下の分類をとっている。
- 私生児でも貴族の娘でもいいが、とにかく行き先の世界で「生誕」したもの→転生
- 出産などで「生誕」したのではないケース→転移
*** ''聖戦士ダンバイン'' [#qc64c92c]
80年代のアニメであるが、異世界召喚とロボットアニメという相反する要素を描いた、ある意味冒険的作品である。
*** ''超時空世紀オーガス'' [#c6977302]
こちらはSFな多元世界要素との組み合わせ。商業的には問題もあったらしいが、ガンダムみたいな過去の戦争をロボット仕立てに置き換えたファンタジー作品とは根本的に異なり、可能性世界とか時空連続体などという要素をとことんつきつめた珍しい作品。
*** ''斬魔大聖デモンベイン'' [#aa5a62cb]
アニメでなくノベルゲームだが、大人気の果てにアニメ化もされた。
本作はクトゥルー+巨大ロボットという異端作であるが、 ''実は非常に珍しい能動的異世界転移作品でもある。''
ちなみに、見た目や設定はイロモノだが、中身は驚くほど、いわゆるダーレス派のクトゥルー作品の王道を突っ走っているらしい。あいにく自分はクトゥルー作品は本作と妖神グルメ
くらいしか知らないので、この点の検証はできないが。
*** ''オーバーロード'' [#x7aaa475]
ネット小説から書籍化に至った作品。いわゆるVRMMOからの転移ものに属する。
** よくある転生もの作品 [#id53d3f4]
つまり前世もちの主人公作品は全てあてはまるわけで、かなり多い。
*** ネット小説群 [#nd63c7e7]
どれだけあるのか把握不可能なので、書籍化されており、なおかつネットで今も読めるものだけに絞り、さらに知っている範疇で書いてみる。
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* はじめに [#ucfe3e4e]
異世界メソッドとは、物語における古典的テンプレを意味する造語。一般的な用語が他にあったら誰が教えてほしい。
異世界メソッドは、広義には実に多くの作品に用いられている。つまりそれは「日常(ケ)から非日常(ハレ)への移動」すらも該当するもので、それを逆手にとったメタファーも含めると、あまりにも多様すぎて、それだけで一冊の本が必要になってしまうだろう。
そこで、ここでは以下に焦点を絞ったものについて解説をしたい。
- ''主人公がなんらかの形で現実とは異なる異世界に行くもの。''
これはファンタジーな異世界から小さな内的世界まで全てを含む。また、現実世界を含む多数の可能性世界が混雑しているような作品も含む。
* 異世界とのかかわりによる種別 [#a621e981]
** 異世界の分類 [#n654944b]
創作上、異世界に分類するものはたくさんある。
神話などでは神の世界、隠れ里、冥界(死者の向かう先)、妖精や精霊の居場所などが挙げられるだろう。
近世になるとさらに異星、異次元、時間旅行の彼方、20世紀終盤には電子世界と可能性世界が追加された。異星や異次元はSFと考える向きもいるだろうが、まだ情報の少ない現在において異星世界について考えるのは「科学的考察をある程度織り込んだファンタジックな妄想」にならざるを得ず、やはりこれはファンタジーな異世界分類でよいと考える。~
(もちろんこれは未来において変わる可能性があるが、それを論じるのはその時代の話だろう)
そして21世紀初頭の今、電子世界にはVRMMOの要素が加わり、さらにバリエーションが生まれている。
** 能動型か受動型か [#efa88cb2]
分類といっても、実は ''ほとんどの異世界作品は受動型'' である。理由も簡単で、 ''主人公が能動的に異世界に行く作品なんて、ゼロとはいわないがほとんど存在しない'' からである。オーラロードが開こうが謎の魔法陣が足元に展開されようが大きな違いはない。受動的という意味では。
理由は簡単で、少なくとも ''現在の現実社会の読者は異世界の存在なんて知らないし、行き方も当然わからない'' からだ。
現代の娯楽作品の基本として ''「主人公と読者に接点がなくてはならない」'' というものがある。たとえ実際には「こんなやついねーよ」的な頭のおかしいチート野郎だったとしても、それを読んでいる自宅警備員な青少年が、自分たちの延長として「こいつになれる可能性」を感じられなくてはならない。
実際、いわゆるクラス転移ものを読めばこれがよくわかる。カカシ役の「旧タイプのテンプレ主人公」が別にいて、そして真の主人公は元劣等生のヲタクないじめられっこという例の王道パターンだ。なぜか学園のヒロインみたいな女の子がそのヲタク主人公に前から夢中だったりするわけで。
おわかりと思うがコレ、彼らのいう古典的王道主人公のメソッドからも全く外れていない。単に、読者が感情移入しやすいように「恵まれていない立場で基礎能力も低い」スタート位置を与えているだけの話で、中身は古き良き王道主人公と何ひとつ変わっていないのである。~
(言っておくが悪いといっているのではない、むしろ広く愛されるがこその王道であろう。アンチテーゼのつもりで王道を描いてしまっているのならそれは滑稽な話かもしれないが、そもそも王道邪道を問うのは作者自身と論客のためのものであり、一般読者には面白ければそれが全てであろう)
話を戻そう。
つまり主人公はなんらかの事件なり事故などで、受動的に異世界に行かねばならない。これがトラックにはねられる事だったり、ひどい場合はベッドから落ちて後頭部の強打でお亡くなりになったりするわけだが。
もちろん、時間と空間に関する技術がもっと進んだ未来に異世界への道が開けば日常になるかもしれないが、それまではこの状況は変わらないと思われる。
なお、強制召喚などの途中で神様にチートをもらうというネット小説によくある展開は、行くか否かの選択の余地がないのでこれらも能動型ではない。
** 転移型か転生型か [#rd0bd426]
転移型とは文字通り、召喚なり事故なりで異世界に行ってしまうケース。古い物語なら、隠れ里や神域に迷いこむようなものもこれにあたる。
対して転生ものとは、こちらの世界で一度亡くなってしまうケースである。まれに死亡でなく人格だけが異世界に「複写」されている(つまり元の本人は現実にいる)ケースもあるが、これは主人公目線では異世界に行ってしまっているので、本人が元のままなのか別人として新たに生まれるかで、転移か転生かに分かれる事になる。
** よくある転移もの作品(古典) [#d277daa7]
異世界モノというのは古典や神話にもあまりにも多く、しかも異世界モノと認知されていないものも少なくない。~
たとえば、以下はその典型例だろう。
*** 浦島太郎 [#ke1e8350]
実は竜宮城というのは後年に作られたもので、元々は、乙姫様の招きで常世(神々の住むという異世界)に行くのである。~
(そもそも昔は「 ''浦島子(うらのしまこ)'' 」という名前だった。太郎さんじゃなかったのだ)~
つまり、子どもの頃から我々がよく知る浦島太郎の物語は、典型的な異世界作品そのものである。
** よくある転移もの作品(アニメやゲーム) [#rf993b28]
わかりやすい方がいいかと思ったので、メディアの観点からまとめてみた。
ただしVRMMO絡みのアバター転移ものについては転移か転生かの判断が難しいものがある。なので、そこは以下の分類をとっている。
- 私生児でも貴族の娘でもいいが、とにかく行き先の世界で「生誕」したもの→転生
- 出産などで「生誕」したのではないケース→転移
*** ''聖戦士ダンバイン'' [#qc64c92c]
80年代のアニメであるが、異世界召喚とロボットアニメという相反する要素を描いた、ある意味冒険的作品である。
*** ''超時空世紀オーガス'' [#c6977302]
こちらはSFな多元世界要素との組み合わせ。商業的には問題もあったらしいが、ガンダムみたいな過去の戦争をロボット仕立てに置き換えたファンタジー作品とは根本的に異なり、可能性世界とか時空連続体などという要素をとことんつきつめた珍しい作品。
*** ''斬魔大聖デモンベイン'' [#aa5a62cb]
アニメでなくノベルゲームだが、大人気の果てにアニメ化もされた。
本作はクトゥルー+巨大ロボットという異端作であるが、 ''実は非常に珍しい能動的異世界転移作品でもある。''
ちなみに、見た目や設定はイロモノだが、中身は驚くほど、いわゆるダーレス派のクトゥルー作品の王道を突っ走っているらしい。あいにく自分はクトゥルー作品は本作と妖神グルメ
くらいしか知らないので、この点の検証はできないが。
*** ''オーバーロード'' [#x7aaa475]
ネット小説から書籍化に至った作品。いわゆるVRMMOからの転移ものに属する。
** よくある転生もの作品 [#id53d3f4]
つまり前世もちの主人公作品は全てあてはまるわけで、かなり多い。
*** ネット小説群 [#nd63c7e7]
どれだけあるのか把握不可能なので、書籍化されており、なおかつネットで今も読めるものだけに絞り、さらに知っている範疇で書いてみる。
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